Forest background
バイオインフォの森へようこそ

白血球中の好酸球の割合

目次

定義と基礎知識

好酸球は白血球の一種で、寄生虫防御やアレルギー反応の調節に関与します。末梢血の白血球分画の中で占める比率が「好酸球の割合」で、一般に検査報告書に%で示されます。

割合は、同時に測定される好中球・リンパ球・単球・好塩基球との相対的な関係で決まるため、白血球全体数や他の分画の増減に影響を受ける相対指標です。

一方で絶対好酸球数(AEC)はμLあたりの細胞数で示され、臨床判断では割合と併せて解釈することが推奨されます。割合のみでは見逃しや過大評価が起こりえます。

通常、成人では好酸球は白血球の1〜5%程度を占めますが、基準範囲は検査室や測定法によって差があり、報告書の基準値を確認することが重要です。

参考文献

正常範囲と解釈のポイント

多くの施設では好酸球の割合を約0.5〜5%と設定していますが、年齢や地域差、機器の特性により範囲が変わります。小児ではやや高めに出ることもあります。

割合の上昇はアレルギー性疾患、寄生虫感染、薬剤反応などで見られます。逆に副腎皮質ステロイド投与や急性ストレスでは低下(好酸球減少)を示します。

割合は他分画の変動の影響を強く受けます。たとえば好中球増加時には相対的に好酸球割合が下がり、白血球減少時には割合だけが高く見えることがあります。

そのため、臨床では割合と絶対数を併読し、症状や既往、薬剤歴、旅行歴と合わせて総合的に評価することが重要です。

参考文献

測定方法と理論

現在の多くの自動血球計数装置は電気抵抗(コールター原理)やレーザー光散乱、蛍光染色を組み合わせて白血球分画を自動で識別・定量します。

装置によっては体積(V)、導電性(C)、散乱光(S)を総合的に評価するVCS技術や、蛍光フローサイトメトリーで細胞や顆粒の性質を識別します。

必要に応じて末梢血塗抹標本を作成し、染色して顕微鏡で手作業の分画(マニュアルディフ)を行い、自動結果を確認・補正します。

品質管理では検体の採血条件、抗凝固剤、測定までの時間、機器キャリブレーションが結果の信頼性に影響します。

参考文献

影響因子:遺伝と環境

好酸球数・割合には遺伝要因と環境要因の両方が関わります。大規模ゲノム研究では、好酸球関連の多遺伝子影響が確認されています。

SNPに基づく遺伝率(SNP-h2)は概ね10〜20%程度と報告され、残りは環境・生活史・疾患などの要因が大きく占めると考えられます。

環境要因には寄生虫曝露、アレルゲン、喫煙、肥満、薬剤(特にステロイド)、季節・日内変動などが含まれます。

したがって、個人差の多くは環境・疾患背景により説明され、遺伝は感受性の土台を与えると理解されます。

参考文献

臨床的意義と対応

好酸球割合の上昇はアレルギー性鼻炎、喘息、アトピー性皮膚炎、寄生虫感染、薬剤過敏、好酸球性消化管疾患、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症などの手掛かりになります。

絶対好酸球数が500/μL以上で好酸球増多とされ、1500/μL以上が持続し臓器障害が示唆される場合は専門的評価が必要です。

低値は多くが無症候で経過観察ですが、ステロイド投与中、内因性クッシング、急性感染・ストレス反応などが背景にあることがあります。

対処は原因疾患の治療・薬剤中止・寄生虫駆除・抗炎症療法などで、状況に応じてアレルギー科・感染症科・血液内科に紹介します。

参考文献