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痛風(腎排泄低下型)

目次

概要

痛風(腎排泄低下型)は、血液中の尿酸が腎臓から十分に排泄されないことで高尿酸血症となり、やがて関節に尿酸結晶が沈着して発作性の関節炎を起こす病態です。日本では高尿酸血症の多数がこのタイプに分類されます。

腎臓の近位尿細管では、URAT1やGLUT9といった輸送体が尿酸の再吸収を担い、OAT1/3やNPT1/4が分泌を担います。これらの機能バランスが再吸収優位になると血中尿酸は上昇します。

インスリン抵抗性肥満、脱水、アルコールや果糖摂取、利尿薬などの薬剤は尿酸再吸収を促し、腎排泄を低下させます。慢性腎臓病で糸球体濾過が低下することも寄与します。

治療は生活習慣の是正に加え、尿酸生成抑制薬(アロプリノール、フェブキソスタット等)や尿酸排泄促進薬(ベンズブロマロン、ドチヌラド等)を用い、血清尿酸値を目標値未満に維持します。

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症状

代表的な症状は足の親指付け根の激しい痛みと腫れで、夜間に突然始まることが多いです。皮膚は赤く熱を帯び、わずかな接触でも耐え難い痛みを生じます。

未治療の期間が長いと、肘や耳介、足関節などに痛風結節(トーフィ)が形成されます。尿酸結晶の沈着は腱や滑膜にも及び、慢性的な関節破壊を招くことがあります。

腎排泄低下型では尿酸が持続的に高いため、尿酸腎症や腎機能低下の進行が問題になります。腎結石は腎負荷型より頻度はやや低いものの、脱水や酸性尿では生じ得ます。

発作期には発熱や全身倦怠感を伴うこともあります。急性発作と寛解を繰り返し、十分な尿酸管理がないと発作間隔が短くなり慢性化します。

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発生機序

尿酸はプリン体代謝の最終産物で、ヒトでは尿酸酸化酵素が欠如しているため血中尿酸が上がりやすい特性があります。尿酸は糸球体で濾過され、再吸収・分泌・再吸収を経て最終的に一部が尿中に排泄されます。

腎排泄低下型では、URAT1(SLC22A12)やGLUT9(SLC2A9)を介した再吸収が高まり、OAT1/3やNPT1/4などの分泌経路が相対的に弱まることで、純排泄量が低下します。

乳酸・ケトン体・ニコチン酸など有機酸はURAT1の交換基質として働き、尿酸の再吸収を促進します。インスリン抵抗性もURAT1発現を増やし、再吸収優位を助長します。

ABCG2は主に腸管での尿酸排泄に寄与しますが、その機能低下は腎への排泄負荷増大や血中尿酸上昇を通じて、腎排泄低下型の背景を複雑化させます。

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遺伝的要因

血清尿酸値の遺伝率は家系・双生児研究で約40~70%と見積もられますが、実際の痛風発症は生活要因にも大きく依存します。

SLC2A9(GLUT9)、SLC22A12(URAT1)、ABCG2、SLC17A1/3(NPT1/4)、SLC22A11(OAT4)、PDZK1など尿酸輸送体関連遺伝子の多型が強く関連します。

ABCG2の機能低下多型(例:Q141K)は若年発症や重症化と関連します。URAT1やGLUT9の多型は血清尿酸値の個人差の大きな部分を説明します。

一方で、URAT1の機能喪失変異は腎性低尿酸血症を引き起こします。したがって同一遺伝子でも変異の性質により、表現型は大きく異なります。

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環境的要因と予防

肥満、内臓脂肪、インスリン抵抗性、アルコール(とくにビール)、果糖飲料の多飲、脱水、酸性尿、利尿薬や低用量アスピリンなどの薬剤が腎排泄低下を助長します。

高血圧や慢性腎臓病も尿酸排泄能を低下させます。生活習慣病の管理は痛風の一次予防と再発予防の両方で重要です。

予防として、減量、節酒、果糖とプリン体の過剰摂取回避、こまめな水分摂取、適度な有酸素運動、薬剤の見直しが推奨されます。

定期的な健診で血清尿酸・腎機能をチェックし、高尿酸血症の段階から介入することが、発作や腎合併症の予防につながります。

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